
『HIROSE』
いつもと変わらぬ日々は
いくつあってもいい
葉月の夕日が床を朱色に照らし
テレビの紅文字 死亡15歳
エキサイトステージの選手は動きを止め
裸足の選手の足音が玄関に余韻を残した
真実を信じられない俺の傍で
真実になったお前がいた
死ぬってどういう事?
おい 寝てるなら早く起きろや
涙が流れないんだって
悲しいけど涙が流れない
あまりにショックで
涙が溢れてこないんです・・・
いつもと変わらぬ日々は
幸せだったんだ
そこの白装束 銭函に負けた男
無敵のお前さん 死亡15歳
若さで気づなかった時間の流れ
この時初めて心の痛さに下を向いた
止める事を知らない俺の傍で
止まってしまったお前がいた
死ぬってどういう事?
えっ これで全てが終わりなの
涙が流れないんだって
悔しいけど涙が流れない
あまりにショックで
涙が溢れてこないんです・・・
あれから10年たった
俺は25歳になった
でもお前はまだ15歳
15歳でお前の「時」止まったまま
もう夏も冬も秋も春も10回
お前を通り過ぎたんだぜ
背もまだまだ伸びていただろう
笑顔ももっとあっただろう
車だって乗りたかっただろう
仕事だってしたかっただろう
結婚だって
子供だって
孫だって
息だって
したかったろうに・・・
苦しかったよな
お前は海の中で
最後まで上を向いていたに違いない
必死に必死に
頑張っていたに違いない
最後の最後まで
諦めようとはしなかったよな
死ぬってどういう事?
きっと死んじゃうことなんでしょう
今は涙が止まらない
大人になってしまったからかな
お前のおかげでこの10年間
一瞬を大事に心を込めて生きてこれた
だからここでお前に伝えたい
「お前も25歳なんだよ」
これからも共に生きよう
ありがとう・・・
HIROSEよ
本当にありがとう・・・
これは中学3年の時に
銭函での不慮の事故により
亡くなった廣瀬へ宛てた
10周忌の節目に描いた詩です。